[小説:P★RS 半裸さん日記] part14
2013-01-14


第一話がこちらになります。
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「ところでよ。バトルって何だ?]
ディーナちゃんに問われると、半裸さんは少し困った表情を浮かべました。
「ボトルじゃ弱いのに、とか何とか言われていただろ?」
半裸さんが返答に困っていると、ディーナちゃんが追い打ちを掛けるように言葉を続けました。
「格好悪いから、できるだけ教えたくなかったのに残念だよ。」
半裸さんは呟きながら肩を落として、寂しげに溜め息を漏らしました。
「ばとる!はバウンティハンター同士の決闘でね。仕掛けた側の装備を除いて、リスクの発生しない特殊なフィールドで行われるの。」
半裸さんは説明しながらディーナちゃんを玄関の脇に置かれた戸棚へ連れて行きます。

戸棚を開けると小人の詰められたカプセルがズラリと並んでいました。
「この子達がぷちっと星人さんで、守り神みたいな感じかな?」
半裸さんが紹介すると、ぷちっと星人さん達は各々にディーナちゃんへ挨拶をします。
元気よく手を挙げる者も居れば、眠そうに見詰める者、壁に貼り付いて息を荒げる者など様々な反応を見せました。
「ぷちっと星人の争奪戦が起きた際に、訓練も兼ねた決闘の場が設けられるに至ったの。それが『ばとる!』のシステムなんだ。」
「その決闘だと、お前さんは弱いと?」
「さっきも言ったけど、基本的にノーリスクだから、武器を持ち出しての戦闘になるからね。貧乏で装備がないから勝てないのさ。」
ばつが悪そうな笑顔を見せながら玄関へと戻っていきます。

半裸さんが玄関の前へ戻ってくると、朝食を食べ終えたワリトちゃんが駆け寄ってきました。
「ワリトちゃんも食べ終わった事だし、折角だからディーナちゃんにボクの敗れ様を見せてあげようかな。」
半裸さんが言うと、ワリトちゃんが両手の拳を突き上げてやる気を示します。
「ということで、ちょっとバトって来るから見物しておくれよ。」
そう良いながら手招きでディーナちゃんを呼び寄せます。

ディーナちゃんはガードマザー君の案内でリビングへ戻り、壁へ埋め込まれたディスプレイの前に立ちました。
「ほんじゃ、行ってくるよ。」
背にした玄関から半裸さんが大きな声で声を掛けてきます。
ディーナちゃんはその言葉に対して、肩越しに軽く手を振って応えます。
その直後に画面が点灯して、半裸さんとワリトちゃんが見知らぬぷちロクちゃんと対峙している場面が映し出されます。
対戦相手は剣士の髪にネコリボンを結び、ワンピースのアウター青を装備しています。
お供のペットはメカプリンちゃんを連れてきていました。

「フミさん、今日もばとる!をお願いしますね。」
「こちらこそ宜しくお願いします。」
半裸さんが身構えながら声を掛けたのに対して、相手方のフミさんはリラックスした雰囲気で挨拶を返してきました。
その短い会話が終わると同時に、バトル開始の合図が高らかと鳴り響きました。

半裸さんが合図の鳴り止んだ瞬間に走り出して脇へ回り込むと、すかさずポケットアーミーを撃ち込みますす。
銃撃がフミさんにヒットした直後、ワリトちゃんが正面から腹部を殴り付けます。
フミさんの体勢が整うよりも早く、半裸さんがデッドサイズへ持ち替えて追撃を繰り出すと、折り返してきたワリトちゃんが再び腹部へ一撃を食らわせます。
更なる連続攻撃を繰り出そうと振り返ってみれば、フミさんはワリトちゃんの攻撃を利用して後ろへ飛び退いていました。
「今日は随分と気合いが入ってますね。でも、負けませんよ。」
フミさんは楽しそうに呟きながら、身の丈を超える大砲ロックキャノンを構えます。
「あ、あっちゃ〜」
絶望に満ちた呟きを掻き消すように撃ち出された光の砲弾が、半裸さんの姿を輝きの中へ沈めていきました。

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